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クリックはGUI(Graphic User Interface)において最も基本的で重要な操作である.このクリックをジェスチャで代用することで拡張現実感(Augmented Reality:AR)においても有効な入力操作になる.拡張現実感実現のためには1台のカメラが搭載されたヘッドマウントディスプレイが用いられることが多いが,1台のカメラだけでは指と仮想物体の正確な奥行き関係を計算できないために,クリック動作の認識が難しかった.このため,従来のシステムでは検出しやすさを優先して,親指と人差し指で挟むようなジェスチャが採用されてきた.そこで本研究では,クリックに類似したジェスチャの検出と,視覚的なフィードバックの機構を持つインタフェースを提案する.予備実験において,利用者がどのようにクリック動作を行うかを観測することによって,指先の速さおよび急減速を調べることでクリック動作の検出が可能であることを見出した.この事実に基づいて,1台のカメラからこれらを算出する手法を設計した.提案手法の有効性は,文字入力及び電卓入力を行わせる被験者実験によって検証した.インタビュー結果より一般的な端末操作に不慣れな被験者に対しても直感的なボタンクリックが実現できていることを確認し,仮想ボタンに対するクリック動作検出が,文字入力タスクではF値が0.961,電卓入力タスクではF値が0.972となった.
発表文献
- 杉浦 篤志,豊浦 正広,茅 暁陽,“拡張現実感のための直感的クリックインタフェース”,電子情報通信学会論文誌,Vol.J97-D,No.9,2014-9. (掲載予定, BibTeX)
- Atushi Sugiura, Masahiro Toyoura, Xiaoyang Mao, “A Natural Click Interface for AR Systems with a Single Camera,” Graphics Interface, pp.67-75, 2014-5. (PDF, Project, BibTeX)
- Atsushi Sugiura, Masahiro Toyoura, Xiaoyang Mao, “Clickable Virtual Button in Real Space,” Cyberworlds, pp.384, Poster (Best Poster Award (FORUM8 Co.,Ltd.)), 2013-10. (PDF, Link, BibTeX)
- 豊浦 正広,杉浦 篤志,茅 暁陽,“仮想物体クリック装置,方法及びプログラム”,特願2013-179269,2013-8.
- 杉浦 篤志,豊浦 正広,茅 暁陽,“拡張現実のための直感的クリックインタフェース”,情報処理学会 グラフィクスとCAD研究会,Vol.2013-CG-152,Article 7,2013-9.
- 杉浦 篤志,豊浦 正広,茅 暁陽,“拡張現実のための直感的クリックインタフェース”,やまなし産学官連携研究交流事業,2013-9.