ぶどう品質評価システム

研究支援:
ひろしま型スマート農業推進事業「ぶどうの⼤規模経営の実現に向けた効率的な作業体系 の構築」(2022–2024年度)「ぶどうAI等級判定ステーション」

ぶうどの等級判定は生産現場において必要不可欠である一方、熟練農家の経験や主観的判断に大きく依存する作業である。果房の大きさ、色、密度、重量といった複数の要素に基づく品質評価は、新規就農者にとっては難易度が高く、等級判定結果のばらつきにつながるという課題がある。

 本研究では、これらの課題を解決するために、コンピュータビジョン、深層学習およびIoT技術を統合したAIベースのぶうど等級判定を開発した、等級判定モデルの処理は、まず果房を異なる4方向から撮影した画像を入力とし、これらの画像に対してインスタンスセグメンテーションを適用し、背景から果房療育を高精度に抽出する。得られた画像に重量情報を加え、CNNベースの等級判定モデルへ入力することで、最終的なぶうどの等級を推定する。

本システムは、房を保持するための専用グリッパー、ロードセルセンサとデジタル変換回路 を用いて自作した重量計測機構、Raspberry Pi 5を用いたユーザインタフェース表示部、および異なる角度に配置された4台のカメラから構成される。これらのカメラおよび表示位置は、いずれもRaspberry Pi 5によって制御されている。利用者は収穫したぶうどの房を本システム内に吊り下げることで、数秒以内に4方向からの画像撮影と重量計測が行われ、ぶうど品質が自動的に評価される。判定結果は即座に画面へ表示されるとともに、データ管理システムを保存される。

図1 : (左) オープン型ブドウ等級判定ステーション, (右) 密閉型ブドウ等級判定ステーション

初期に開発したオープン型ブドウ等級判定ステーションでは、等級判定精度80%以上を達成したものの、照明条件により性能が低下することがあった。この課題に対応するため、安定した明るさの環境を確保できるブラックボックス構造の密閉型ブドウ等級判定ステーションを新たに設計した。その結果、等級判定精度は90%まで向上し、判定の安定性が大幅に改善された。

発表文献

  1. Muhammad Faris Kamarudzaman, Prawit Buayai, Yin Suan Tan, Latifah Munirah Kamarudin, Xiaoyang Mao, “Versatile and Easy-to-Operate Grading System for High-Grade Table Grapes: Leveraging Deep Learning, Computer Vision, and IoT,” 2024 International Conference on Cyberworlds (CW), pp.264-271, 2024-10, doi: 10.1109/CW64301.2024.00037.

特許

特開2025-144414(P2025-144414A)(特願2024-044171)、2024年3月19日出願、【発明の名称】等級判定システム、保持ボックス、等級判定方法および等級判定プログラム、茅 暁陽、 ブアヤイ プラウィット