概要
人間の視覚注意の仕組みから,画像の各ピクセルがどれだけ注視を集めやすいかを推定し,定量的に表したものを顕著性マップという.顕著性マップは画像認識や物体検出をはじめ,ロボットビジョンや広告デザインなどにも利用されており,様々な分野で注目されている.代表的な既存手法として,Ittiらのモデルでは,色,輝度,方向において,多解像度で視覚特徴量の中心周辺差分を求めることにより,周囲と大きく異なる領域に高い顕著度を割り当てる.一方,図に示すような,画像内のある一点に線が収束する構造をリーディングラインと呼び,人の視線はこのような構造に無意識に引きつけられることが認知心理学の研究結果としても知られている.本研究では,リーディングラインによる視線の誘導効果を考慮した顕著性マップ推定の計算モデルを構築することで,より正確に人の視線の推定を行うことを目的とする.
発表文献
- Issei Mochizuki, Masahiro Toyoura, Xiaoyang Mao, “Visual Attention Prediction for Images with Leading Line Structure,” The Visual Computer (Proc. CGI), Vol.34, No.6-8, pp.1031-1041, 2018-6.
- 望月 一生, 豊浦 正広, 茅 暁陽, “リーディングラインを考慮した顕著性マップの拡張”, Visual Computing/グラフィクスとCAD合同シンポジウム, Article 4, 2017-6.
- 後藤 悠汰, 澤田 友哉, 豊浦 正広, 茅 暁陽, 行場 次朗, “リーディングラインを考慮した顕著性マップの作成”, Visual Computing/グラフィクスとCAD合同シンポジウム, Article 9, 2014-6.